凱旋門賞にエントリーしているクロノジェネシス (c)朝日新聞社
凱旋門賞にエントリーしているクロノジェネシス (c)朝日新聞社
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 日本の競馬はクラシックが終わり、欧州競馬も英ダービーなどのクラシックはほぼ終了(愛ダービーなどはまだ終わっていないが)。夏のビッグレースや秋の大一番へ向けた勢力図がひとまずは見えてきた。そこで今回はやや早めではあるが、現時点での凱旋門賞の展望を語ってみようと思う。

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 なんと言っても最大の注目馬は英オークスを圧勝したディープインパクト産駒のスノーフォールだろう。ガリレオ産駒の母馬ベストインザワールドが日本でディープインパクトを受胎してノーザンファームで生まれた牝馬だ(欧州基準での登録上の生産者は母馬の所有者)。

 名門のA.オブライエン厩舎に入ったが2歳時は7戦して1勝どまりと目立った存在ではなく、英G1フィリーズマイルで同厩馬マザーアースと取り違えられたのが話題になった程度だったが、3歳になって覚醒。初戦の英G3ミュージドラステークスで重賞初制覇を飾ると、英オークスではレース史上最大着差となる16馬身差の圧勝を飾った。

 この勝利を受け、各ブックメーカーはスノーフォールを凱旋門賞の前売り1番人気に設定。一気に今年の欧州競馬の主役へと躍り出ることになった。母の全姉に2016年の凱旋門賞を制した名牝ファウンドがいることも人気を後押ししているだろう。

 ただし英オークスは3番人気だったスノーフォールを除けば、2着から4着までは人気薄の決着。さらに欧州ではあまり勝ち時計は重視されないとはいえ、前年に良馬場で2分34秒06のタイムで9馬身差の圧勝を飾った同厩舎の先輩オークス馬ラブに対し、今年のスノーフォールは稍重で2分42秒67だった。このあたりがどう評価されるか、最新のレーティング発表をしっかり確認したいところだ。

 このスノーフォールに前売り1番人気を奪われたのが、前述のラブ。昨年に英1000ギニーと英オークスの二冠を制覇後に8月のG1ヨークシャーオークスも圧勝したが、秋の凱旋門賞は馬場状態を考慮して回避した。

 今年は6月上旬時点でまだ未出走。6月16日の英G1プリンスオブウェールズステークスや同27日の愛G1プリティポリーステークス、7月3日の英G1エクリプスステークスなどに登録があり、いずれかのレースで復帰すると見られている。

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日本調教馬の可能性は?