2年ぶりに開催されたセ・パ交流戦。チームではオリックスが2度目の優勝を飾ったが、リーグ間の勝利数はセ・リーグが49勝、パ・リーグが48勝(引き分け11)となり、2009年以来2度目となるセ・リーグの勝ち越しとなった。勝利数の差はわずか1勝であり、この結果だけを見てセ・リーグが巻き返したと結論づけるのは早計だが、過去10年以上続いていたパ・リーグの圧倒的優位という状況には少し変化が出てきていることは間違いないだろう。
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セ・リーグでまず目立ったのがルーキーを含めた若手野手の台頭である。好成績を残した主な選手とその交流戦の成績を並べてみると以下のようになった。
佐藤輝明(阪神1年目):打率.296 6本塁打 12打点 3盗塁
中野拓夢(阪神1年目):打率.304 0本塁打 7打点 8盗塁
塩見泰隆(ヤクルト4年目):打率.307 4本塁打 7打点 5盗塁
松原聖弥(巨人5年目):打率.300 2本塁打 5打点 2盗塁
牧秀悟(DeNA1年目):打率.357 3本塁打 8打点 0盗塁
林晃汰(広島3年目):打率.339 2本塁打 7打点 0盗塁
宇草孔基(広島2年目):打率.288 2本塁打 6打点 5盗塁
塩見以外の6人は今年が初の交流戦出場となった選手たちであるが、そのことを考えさせない見事なプレーぶりだった。佐藤、中野、牧のルーキー3人も、交流戦前は少し調子が落ちているように見えたが、パ・リーグを相手に成績を上げたということは大きな自信となったはずである。またヤクルトの主砲、村上宗隆も打率は2割台前半と低かったが、ホームランはトップタイの7本塁打を放って存在感を示している。
一方のパ・リーグの野手を見てみると、実績のない選手で目立ったのは岸潤一郎(西武2年目)、愛斗(西武6年目)、呉念庭(西武6年目)、杉本裕太郎(オリックス6年目)、高浜祐仁(日本ハム7年目)などがいるが、年齢的にも在籍年数的にも若手と言えるのは岸と愛斗くらいである。チームに勢いを与える若手野手という意味では、セ・リーグが圧倒的に上回っており、このことがリーグ全体の勢いに少なからず影響を与えていたと言えるだろう。