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 2017年6月22日は小林麻央さんの命日。乳がん闘病の末、34歳という若さでなくなった。あれから4年、「NEWS ZERO」(日本テレビ系)のメインキャスターとして、麻央さんとは仕事仲間だった村尾信尚さんにいまだに鮮明な思い出をうかがった。

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――小林麻央さんが亡くなられて4年たちました

 僕と麻央さんは「NEWS ZERO」のつながりになるのだけれども、番組立ち上げのメンバーとして麻央さんはいてくれたので、実は毎年毎年、6月の後半に麻央さんを偲ぶ会をやっています。コロナ禍なので今年はどうなるかわからないのですが、彼女のお墓の近くで、できればみんなで集まりたいと思っています。それだけ、麻央さんというのは「NEWS ZERO」の私たちスタッフの中で非常に大きな存在だったんですよね……。

――麻央さんの第一印象は?

 僕は「NEWS ZERO」でキャスターをやるまでは、全くエンターテイメントやテレビの業界に疎くて、今でも疎いんですが、番組でご一緒することになり“小林麻央さんは若い世代から人気もあるとうかがっても“あぁ、そうですか”(笑)。失礼な印象なんですけれども、特に初めの頃はそういう感じでした。立ち振る舞いは素朴と言うのかな、肩ひじ張ったところもないし、素直でいい方だなと思いました。

――3年半一緒に仕事をして麻央さんはどんな方でしたか?

「NEWS ZERO」は23時から放送が始まるんですが、午後の4時から会議をするんですね。会議では、僕がメインキャスターとして色々と話をするんだけれども、どちらかというと、麻央さんは会議で発言をするタイプではなくて聞き上手。ただ、単に聞いているだけではなくて、どこかで僕の言葉をひとつひとつを刻み付けていてくれて、何かの折に僕の言葉を出してきてくれた。“あぁ、あの時の言葉を聞いて、覚えていてくれたんだな”と思う場面が何度もあった。意見を聞かれれば自分の意見はしっかりいう方だったので、そういう意味では、会議ではアクティブな感じではなかったけれども、しっかり意見は自分の中で蓄えていた。

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僕の右隣でいい意味で存在感がなかった