NPO法人熊谷の環境を考える連絡協議会のしらくら俊也さんは、ダンボールコンポストに「楽しくてハマっちゃった」という一人。10年前から自己流で試してはブログに載せているうちに、講師の声がかかるように。昨年にはNPO法人循環生活研究所認定のコンポストアドバイザーの資格も取得した。
■「循環」が意識を変える
熊谷市内でダンボールコンポストの講習会を開いたり、ブログやYouTubeで方法を詳しく解説したりしている。「初めてコンポストをした時、土を触って、その温かさに衝撃を受けた」という。分解されていく様子が何より面白い、と語る。
微生物によって生ゴミが分解されると、土の中は気温プラス5~10度ほどになるのだという。ときには60度に達することもある。
「分解がうまくいくと、カブトムシの虫かごのようなあまい香りがします」
しらくらさんは、ダンボールコンポストは夏休みの自由研究にもオススメだという。
さて、記者も体験してみようとLFCコンポストを自宅ベランダに導入し2週間がたった。
毎日生ゴミを投入して混ぜる作業は、面倒かなと思いきや、ぬか床を育てているような楽しさがある。外食で残してしまったり、カフェでバナナを食べたりしたときは、「これ持って帰ってコンポストに入れたいな」と思うほどだ。なるほど、確かにこの小さな「循環」体験は、意識を変える効果がある。
キッチンから生ゴミが消えたので、この時期いつも悩まされていたコバエにも今年はまだお目にかかっていない。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2021年6月28日号