柔道といえばロサンゼルス五輪で足をケガしつつ、金メダルを取った山下泰裕も印象的だね。当時は俺も結婚して、娘が生まれて、嶋田家の歴史が始まった中でのオリンピックだったからよく覚えているよ。その山下が金メダルを取った会場にプロレスで試合をする話があったんだけど、テロか何かの問題で無くなってしまった。そこで試合をしたかったなと今でも残念に思うよ。

 それからオリンピック選手といえば、東京五輪と1968年のメキシコ五輪に出場した体操選手、ベラ・チャスラフスカもよく覚えている。とても美人で華麗な技を繰り出していて、若い俺はとても魅了されたよ。あとはなんといってもアベベだね! 裸足で走っている姿がとても印象的だ。なんといっても、俺も裸足で相撲部屋から逃げ出したりしていたから親近感がわくんだ(笑)。

 そのせいか、本来は相撲や競馬といった、短時間で勝負がつくスポーツが好きなんだけど、マラソンだけはスタートからゴールまでずっと見てしまうね。2時間以上も走って、何度も順位が入れ替わって、ドラマがあるよね、靴が脱げてコケちゃう人とか、ね。

 今回の東京五輪はコロナ禍で、選手に迷惑がかからずに、平穏無事に終わってくれればという気持ちで応援している。選手にはなんの罪もないし、選ばれたら出場して一生懸命やるしかないからね。無事に自分の種目を終えられるように頑張ってほしい。

 今回の注目は競泳かな。そこから入って、自分のオリンピック観戦の気持ちを盛り上げていこうと思う。それから、馬術競技の会場の馬事公苑は、昔の散歩コースだった場所だ。恥ずかしながら、そこが前回と今回もオリンピック会場になっていることを知らなかった。こっちも、楽しみだね。みんなも、オリンピックにはいろいろな思い出や思い入れもあるだろう。そんな思いを乗せて、今回はテレビで選手を応援しよう!

(構成・高橋ダイスケ)

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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