金メダル獲得に期待のかかる瀬戸大也 (c)朝日新聞社
金メダル獲得に期待のかかる瀬戸大也 (c)朝日新聞社

 7月24日、いよいよ東京五輪が開幕を迎える。総勢33人で挑む競泳日本代表チームも、準備は万端だ。

 その先陣を切るのが、男子400m個人メドレーの瀬戸大也である。「山(高地合宿)を下りてから3日後くらいが、いちばん調子が良い」という過去のデータから、瀬戸は誰よりも最も長く準高地での合宿を敢行。長野県・東御市にあるGMOアスリーツパーク湯の丸での合宿を終えたのが、7月21日のこと。24日午後に400m個人メドレーの予選、そして25日午前の決勝にピンポイントで合わせた調整法だ。

 瀬戸は、200m個人メドレーでもバタフライでもなく、400m個人メドレーで金メダルを獲得することに拘泥してきた。なぜなら、中学2年生のときにライバルの萩野公介にはじめて勝利し、世界一に輝いたのもこの種目。そして世界選手権では日本人初となる連覇を果たし、25mプールで行われる世界短水路選手権では4連覇も果たしているのが、この400m個人メドレー。だからこそ、瀬戸は人一倍この種目への思い入れが強いのだ。

 リオデジャネイロ五輪のレース後、「東京では(萩野)公介とワンツーフィニッシュをしたい。もちろん、僕が優勝して」と口にしていた。それほど、切望する金メダル。競泳最初の決勝種目で、チームに勢いをつける金メダル獲得に期待したいところだ。

 同じ日に行われる、女子400m個人メドレーの大橋悠依にも金メダル獲得のチャンスはある。鉄の女とまで言わしめる、ハンガリーのカティンカ・ホッスーという不動の女王が存在するこの種目だが、大橋を指導する平井伯昌日本代表監督が「スイッチが入ってきた。はじめてメダルを獲得した2017年の時のようだ」と調子が上向き。大橋も「メダルにはベストが必須」と油断はない。ぜひとも2000年シドニーオリンピックで銀メダルを獲得した田島寧子の功績を塗り替えてほしい。

 日本人初の快挙に挑む、7月27日の男子200m自由形で金メダルを狙う松元克央の存在は外せない。2019年世界選手権で銀メダルを獲得し、一気に東京五輪のメダル候補に駆け上がってきた。だが、この種目には強豪がひしめき合う。イギリスのダンカン・スコット、トム・ディーン、そしてリトアニアにダナス・ラプシスに、韓国の若手ファン・スンウ、16歳のデビッド・ポポヴィッチ(ルーマニア)も台頭してきており、決勝進出する8人全員に優勝のチャンスがあるという、まさに大混戦の様相を呈している。

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目が離せない選手が目白押し