――成長したところはどんなところですか。
やっぱり強い気持ちの部分ですかね。今日も東京オリンピックという舞台で、冷静で落ち着いた柔道を100%出せたので、そういう部分なのかなと思います。
――昨年12月には丸山城志郎選手と代表をかけた熾烈(しれつ)な一戦がありました。
本当にここまで代表争いをしていなかったら、今の自分自身はないと思うので。丸山選手の分も背負ってオリンピックを戦うというのも言っていて。金メダルが取れて、日本柔道の66キロ級が世界で一番トップだということが証明できたと思います。
――あなたはとても若いですが、プレッシャーは感じませんでしたか。
今回の東京オリンピックに関しては、金メダルを絶対に取らないといけないという思いというか、プレッシャーはあったんですけど、覚悟を決めて自分自身の柔道をやるだけだと考えて、そして挑んでやったので。すごいプレッシャーというのは、あまりなかったかなと思います。
――24分間の丸山選手との代表決定戦に勝ったときの喜び方に比べると、金メダルを決めた瞬間は非常に落ち着いて見えたのですが、冷静だった理由は。
あの時の感情は、本当にうれしくて、喜びはあったんですけど。自分自身、あの時に思ったのは、顔を上げて、胸を張って、しっかり礼をして畳を降りたいと思ったので。オリンピックという舞台なので、しっかりと胸を張って礼をして、強い気持ちで畳を降りました。
――こういう状況でオリンピックを開催したことに感謝の気持ちを語っていましたが。
今、すごく大変な時期で、オリンピックも開催されるかどうかわからない状況の中で東京オリンピックが開催されて。開催されなかったら自分自身の金メダルはなかったと思いますし、東京オリンピックを開催してくれた方々に、まずは感謝の気持ち。このように感染症対策をしながら大会を開催してくれた。僕たち選手にとっては、本当に感謝の気持ちしかないです。