東京五輪の柔道は25日、女子52キロ級を阿部詩(うた)が制した後、男子66キロ級で兄の阿部一二三が優勝した。五輪で同じ日にきょうだいがそろって金メダルを取るのは日本柔道初の快挙。会見で阿部一二三本人が語った全文を速報でお送りする。
■阿部一二三会見 一問一答
――詩さんが先に金メダルを取りました。その試合はご覧になっていましたか。
はい。見てました。
――心境は。
絶対に金メダルをとってくれると信じていたので。そして自分につないでくれると思っていたので。信じて見ていました。
――先に結果を出した詩さんは、満面の笑みで一二三さんの試合を見ていました。詩さんの金メダルをそのような気持ちで受け取りましたか。
本当に自分自身「よかったな」と思いましたけど、妹が金メダルを取った時に「絶対にやってやるぞ」と。闘志しかわいてこなかったです。
――プレッシャーには感じなかったですか。
プレッシャーはまったく感じなかったです。
――兄妹そろっての金メダル。今日は阿部さんのご家族にとって、どんな日になったんでしょうか。
自分にとってもそうですし、自分自身の家族、自分自身の人生で最高の一日ではないかと思います。
――兄妹そろって金メダルというのを初めて現実的に決めた日はあるんですか。
瞬間とかはないですけど、妹がシニアで活躍しはじめたころ。高校1年生か高校2年生になった頃に、東京オリンピックで同日優勝というのは思い描いていました。
――何かに書いたりということは。
書いたりとかはあんまりないですけど、取材だったりとか。お互いが口にするようになったかなという感じです。
――なぜ、兄妹そろって金メダルが取れたのでしょうか。
それは僕自身もそうですし、妹の詩もそうですけど、ここまで強い気持ちで。東京オリンピックまで強い気持ちで自分を信じてやってきたからこその結果だと思います。
――ここ数年間、順調にはこられなかったと思いますが、この間の葛藤と金に届いた成長をどう感じていますか。
東京オリンピックで金メダルを取るのを目標でやってきて、ここまでの道のりは本当に厳しくて、苦しい時期、大変な時期を乗り越えての金メダルなので。でも、本当に大変だった時期というのは、一つも無駄ではなかったかなと自分自身思いました。自分の柔道人生、まだ23年ですけど、本当にこの金メダルに詰まっているなと思います。