七回裏、「リエントリー」で再登板した上野由岐子(c)朝日新聞社
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金メダルを手に笑顔の上野由岐子と宇津木麗華監督(c)朝日新聞社
金メダルを手に笑顔の上野由岐子と宇津木麗華監督(c)朝日新聞社

 東京五輪のソフトボール決勝は7月27日、横浜スタジアムであり、日本は2―0で米国を破り、金メダルを獲得した。ソフトボールは2008年北京五輪以来3大会ぶりの実施。日本は13年越しの2連覇を達成した。今大会389球を投げ抜いたエース上野由岐子(39)、チームを率いた宇津木麗華監督(58)、投打に活躍した藤田倭(30)が試合後に会見で語った全文をお届けする。

【写真】金メダルを手に笑顔の上野由岐子と宇津木麗華監督

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――宇津木監督にお伺いします。決勝では山田恵里選手(37)が1番で、市口侑果選手(29)が8番など打線を組み替えました。その狙いと、打線のつながりについての評価について教えてください。

宇津木:そうですね。やっぱり経験が一番じゃないかなと。今日こんなに大きい大舞台の上で1番山田にしていかないといけない。上野と同時にやっぱり日本を背負っている2人ですけど。そういう意味でもう迷わなくて。本当によかったと思います。この5年間いろんな意味で何を準備してきたかというと、やっぱりホームラン、パワーをつけることですよ。そこは本当によかったです。ソフトボールは1秒で4点を取れるので。そういう意味でその狙いがよかったと思います。

――みなさんへ。今回の金メダルを機に今後の日本のソフトボール界がどういう姿になっていってほしいかということを考えられていましたら教えてください。

宇津木:やっぱりとりあえず、いったんソフトボールの大きい大会がなくなる。でも、いずれまたもう一度入るために、(指導者として)しっかり若い選手、もう一度金メダルを取れる選手を作っていきたいなと思っています。

上野:今回金メダルを取ることができて、また一段とメディアに注目してもらえると思うので。オリンピック競技じゃなくなっても、それをどう維持していけるか。どれだけメジャーなスポーツであり続けられるかということが大事になってくると思うので、若い選手の育成も含め、さらにソフトボール界が盛り上がっていくために力を尽くしたいと思います。


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上野さんとプレーしているのは奇跡