佐藤:もちろんです。授業を聞いているだけで知識が入ってくるかというと大間違い。

安浪:算数の場合、ちゃんと式や図を書いているかどうかはひとつの見極め点です。そこは保護者の方にしっかりチェックしてもらいたいところです。

佐藤:子どもに式や図形をしっかり書かせるコツは、余白の大きいところに書かせる、ということですね。白紙の部分がいっぱいあるとできそうな気がするけど、チマチマしていると頭の中が狭くなる。

■子どもが書きやすい工夫を

安浪:余白はすごく大事です!

佐藤:算数だけではなく、子どもが漢字を間違えると、小1が使うようなマスの大きなノートに書かせていたりしましたね。そうすると、トメ、ハライや線の長さなどが誤魔化せなくなる。

安浪:まず大きく書かせてみることは本当に大切です。それだけで自分のミスが見つかったりします。でもこれも日々の練習が必要です。例えば、式をきちんと書けるようになってもすぐには点数には結び付きません。しかし、子どもにとって式が書けるようになったことは大きな進歩。ちゃんと褒めてあげてほしいですね。

佐藤:子どもたちが楽しく書けるような工夫をするのもいいですね。私もいろいろやりました。ノートの色を変えてみるとか、文房具もいろいろ用意してみるとか。そうすると面倒くさいこともちょっと楽しくなる。「書きなさいよ」って精神力で追い詰めても結局、子どもはやらないと思うんです。

安浪:それこそ親ならではのサポートですね。塾のテキストも少し親が手を加えてあげるだけで子どもはうれしいもの。それにしても佐藤さんはそれを4 人分やったんですよね。すごい。

佐藤:作業自体は苦痛ではなかったですね。とにかく子ども達には手間を省いて、問題を解くだけにさせたかったんです。でも冒頭でもお話しましたが、いろいろやってもムダになったものも多かったです。親がどんなに頑張って作っても、それを子どもが全部やるかどうかわかりませんから。

安浪:そこです! 親はつい効率よく最適解を求めたくなりますが、ムダはあって当然、ということですね。やるか、やらないか、できるか、できないかは子ども主体に考える……親のサポート術として、とても大切なことだと思います。

◎佐藤亮子さん/大分県で高校まで過ごし、大学卒業後、高校の英語教師として2年間教壇に立つ。以降は専業主婦。子育て法や受験テクニックに注目が集まる

◎安浪京子さん/アートオブエデュケーション代表取締役。関西と関東で塾講師を経験後、プロ家庭教師として約20年算数を教える。メンタルサポートも人気

※『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)から

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