週刊朝日 2022年12月2日号より
週刊朝日 2022年12月2日号より

■地域のサービス ガンガン利用

「意外と知られていないのが要介護(支援)状態が3段階上がれば再度給付が受けられるという点です。3段階も上がれば、生活の仕方も変わります。再度改修の必要性が出てくるからです」(静岡福祉大学社会福祉学部の小林哲也講師)

 引っ越しをした場合も再給付可能だ。

・マル得【2】「介護のコンビニ・小規模多機能」

 小林さんが「もっと積極的に活用すべきだ」という介護保険サービスが「小規模多機能型居宅介護」(以下、小多機)だ。通いを中心に、利用者の希望などに応じて居宅への「訪問」や短期間の「泊まり」を一つの事業所で包括的に受けられるもの。通所はA事業所で、訪問介護はB事業所、ショートステイはC事業所……というように一般的には複数の事業所のサービスを組み合わせて利用するものだが、小多機ではすべて一つの事業所のスタッフが行うため、利用者の体調変化にも気づきやすいという点や臨機応変に変更できるのがメリット。しかも利用料は定額制。

「利用に際して、サービス計画は必要ですが、利用回数に制限がないので、デイサービスもショートステイも訪問ヘルプサービスもたくさん受けても金額は変わらず、必要な時に、必要なサービスを受けられるのが、『介護のコンビニ』と呼ばれるゆえんです。家庭的な雰囲気も特徴です」(同)

 小多機は06年に創設された地域密着型サービスのひとつだ。

「地域密着型サービスは、市町村が事業指定や指導、監督を行うので、小多機も地域によってあるところとないところがあります(地域格差)。訪問介護と訪問看護を24時間365日必要なタイミングで柔軟に提供する『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』(以下、定巡)も良いと思います。こちらも地域密着型サービスです」(同)

 小多機と定巡は「最後まで住み慣れた自分の家で暮らしたい」と望む人には心強いサービスの一つだが、定巡も誕生してまだ10年と歴史が浅く知名度はいまひとつ。

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