ただ、今回の映画「祈り~」に出演したことで、芝居に対する思い入れは強くなった。

「先人の思いを、後輩に手渡すことができる役割に、やりがいを感じました。大義を持って作品を作る。そのメンバーになれたことは誇りで」

 自分が変化していくことを楽しんでいる黒谷さんは、時代の変化を楽しむ達人でもある。

「私に若さを保つ秘訣があるとしたら、若い子たちと交流することですね。とにかく、若い世代は情報が早いし、知らないことを教えてくれる。私たちの世代は、20代の頃からインターネットやケータイに触れてきていて、今はスマホで日常の様々な出来事を世界中でシェアできるようになった。その時代のスピード感に自分を対応させていくことが面白い。もちろん、知識や経験を積んだ先輩たちの話を伺うのも大好きなので、若い世代と、たっぷり経験を積んだ世代の橋渡しができる世代であることも楽しい。だって、両方の世代から刺激を受けられるんですよ!(笑)」

(菊地陽子 構成/長沢明)

黒谷友香(くろたに・ともか)/1975年生まれ。大阪府出身。モデルを経て、95年映画「BOXER JOE」で俳優デビュー。舞台、テレビドラマ、バラエティー、情報番組、CMなどでも幅広く活躍。2006年、つかこうへい作・演出「熱海殺人事件 売春捜査官」で主演。以降、映画「極道の妻たち Neo」(13)、ドラマ「トカゲの女 警視庁特殊犯罪バイク班」(14)などに出演。最新出演作は宮本亞門演出舞台「画狂人 北斎」。

週刊朝日  2021年9月17日号

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