
今にも話しかけてきそうな豊かな表情を持つ、人や動物たち……。「おにぎり劇場」さんが手がける、絶妙にリアルでちょっとシュールな「おにぎりアート」がSNSで話題です!
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美術系大学出身のおにぎり劇場さんは2年ほど前、おにぎり作品のコンテスト参加を機に、楽しさに目覚めたという。以降、ツイッターなどSNSに作品の写真をアップし続けている。

モチーフは、おにぎりを自立させるため安定感のあるころんとしたフォルムを持つものを選ぶ。見た目のインパクトや可愛さも重要だ。

材料の条件は、「ご飯と一緒に食べておいしいもの」。ごま、とろろ昆布、大葉、カニかまぼこ、ケチャップ、中濃ソース、漬物、佃煮などをよく使う。だいたいの作品は30分~1時間ほどで完成するという。

おいしさも妥協せず、多くの作品の中にはきちんと「具」が入っている。おにぎり劇場さんは「隙間ができたり水分が滲みだしたりと崩れやすくなり難易度は高まりますが、具にたどり着いた時の幸福感はおにぎりの醍醐味なので」と話す。

愛を込めて作られたおにぎりたちは皆、優しい顔をしている。(文/本誌・大谷百合絵)
※週刊朝日 2021年9月24日号