生活習慣病や肥満の予防が重要

 10秒以上呼吸が止まる状態を「無呼吸」といい、無呼吸ではないものの呼吸が弱くなる状態を「低呼吸」という。睡眠中、1時間に5回以上無呼吸や低呼吸が起こった場合にSASと診断される。

「SASでは、長い時間呼吸が止まっていても、1回しか止まっていないのであれば、重症度は低いと判断されます。呼吸の停止がくり返されるせいで睡眠が妨げられるため、呼吸が止まる回数が多いほど重症と判断します」(富田医師)

 1時間に起こる無呼吸・低呼吸の回数が5回以上(15回未満)は軽症、15回以上(30回未満)は中等症、30回以上は重症と診断される。SASと診断されたら、重症度や原因、症状などにより治療法を検討する。

SASの病態(原因)
SASの病態(原因)

 SASを予防するための方法としては、両医師ともに「肥満を予防すること」を挙げる。食事の見直しや適度な運動などによる生活改善で体重を管理し、肥満や生活習慣病を防ぐことがSASの予防策であり、治療法のひとつでもある。高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療をきちんと継続することも重要だ。

(文・出村真理子)

週刊朝日  2021年10月1日号より

暮らしとモノ班 for promotion
なかなか始められない”英語”学習。まずは形から入るのもアリ!?