世界的人気を誇るメタルダンス・ユニット「BABYMETAL」のプロデューサーであり、作詞家、作曲家でもあるKOBAMETALが二作目となるエッセーを出版した。その名も『鋼鉄(メタル)っぽいのが好き-人生9割メタルで解決-』(KADOKAWA)。自身の“メタル愛”をこれでもかと書き連ね、人生において“メタル”がいかに重要かを説く異色のエッセーだ。そんなKOBAMETALに、改めてメタルとは何か、BABYMETALとはどんな存在なのかを聞いた。
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KOBAMETALの著書『鋼鉄(メタル)っぽいのが好き』では、メタルを森羅万象さまざまな事柄と結び付け、その共通点や親和性の高さが指摘される。ドラえもん、紅白歌合戦、料理、プロレス、水戸黄門、新庄剛志、SDGsなどなど……。一見ふざけているようにもみえるが、その内容はいたって真面目。「怖そう」「うるさい」など、世間では一面的なイメージで捉えられているヘヴィメタルが、実は多様性に富んでいて形を変えながら世界中で広まってきたこと、また「メタル的」な生き方がいかに人生を豊かにするのかを、切々と書いているのだ。まさにKOBAMETALの“メタル愛”があふれた一冊なのだが、彼はBABYMETALのプロデューサーという立場ゆえ、これまで個人的なことはあまり語られなかった。
まずは、KOBAMETALとメタルとの出会いから聞いてみた。
――初めてメタルに触れたのは、中学生の頃に聖飢魔IIを聞いたことだと書かれています。この後、どうやって“メタル少年”へと成長していったのでしょうか。
聖飢魔IIを初めて見たときは衝撃で、すぐに近所のレコード店に走って、第二大教典『THE END OF THE CENTURY』のカッセットテープを買いました。テープが伸び伸びになるまで聞き込んだので、第二大教典の8曲は今でも脳に刷り込まれています。ただメタルファンからすると、聖飢魔IIは“異端”の存在だと思います。だからワタクシ自身、メタルはこうあらねばならぬ、みたいな考えにはなりませんでした。1960~70年代の名盤から、新しめのデジタル系のメタルまで何でも聞いていました。