BABYMETALをメタルとするかどうかは、受け手次第だと思います。BABYMETALのファンの方の裾野はすごく広い。もちろんメタル好きもいますが、アイドル、アニメが好きな人、ダンスやファッションが好きでファンになった方もいる。メンバーや音楽そのものではなく、コンセプトや世界観が好きという人もいます。つまり、BABYMETALのどこに“刺さって”いるのかは本当にさまざまなんです。楽曲も、様式美を感じるオーセンティックなメタルの曲から、ヒップホップを絡めたダンスミュージックまでいろいろとある。なので、一部を切り取って「(サウンドが)メタルかどうか」を議論することには、あまり意味は感じません。

――BABYMETALは今後のライブ活動を「封印」すると宣言されました。10周年というタイミングで「区切り」としたのは、何か意味があるのでしょうか。

 2020年1月に幕張メッセで「LEGEND - METAL GALAXY」という3rdアルバムの集大成的なライブをやった際に、エンディングで次回は「METAL RESISTANCE 最終章」と告知していました。それゆえ、急に決まったことではありませんし、コロナ禍だからという理由でもありません。海外ドラマの「シーズン1」とか「シーズン2」のように、「10」という数字的なキリの良さもあり。BABYMETALは何かにつけて数字に引っ掛けることが多いので(笑)。いろいろな受け取り方があるとは思いますが、今回は世の中の状況も踏まえて、今後ライブの予定が無いということをあえてアナウンスした形ですね。先のことは決まっているわけではありませんし、まさに「ONLY THE FOX GOD KNOWS(キツネ様のみぞ知る)」です。

――BABYMETALは国内ではアリーナクラスの会場をいつも即完売させ、NHK紅白歌合戦にも出場しました。海外ツアーでも外国人をきちんと集客できる数少ないアーティストであり、日本でトップクラスの存在になりました。ここまでの成功を収めたことをプロデューサーとしてどう感じていますか。

 何を持って「成功」とするかは人それぞれですが、単純に、すごく幸せです。BABYMETALを始めたころから、ワタクシにはビジョンマップみたいなものがあって、実現させたいことをメモのように書き込んでいました。それを一つ一つ達成していった、その積み重ねが今につながっていると思います。BABYMETALは、メンバー、スタッフ、ファンの方が全員でつくってきたプロジェクトです。何かひとつでも欠けていれば、また違ったものになっていたかもしれません。この10年、さまざまな国で、いろいろなアーティストの方たちと一緒に、得がたい経験をすることができました。これもBABYMETALというチームがブレずに、自信を持って活動してきた結果だと思います。それこそ、ワタクシが追い求めてきた“メタル道”です。その精神はこれからも貫いていきたいですね。(構成=AERA dot.編集部・作田裕史)

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