
YouTubeで動画を見ている最中なのに、無理矢理「あと10秒!」で突然終わらせてしまうのは、ストレスもたまるし、宿題をやる気もなくすと思うからです。
というのも、人間は突然中断されたものに対して、「続きが気になる」と思う心理がもともと備わっているのです。
これを「ザイガニック効果」と言います。
人間は、途中で中断された未完了のものや、隠されている部分の情報のほうに、意識がいってしまいがちなのです。
この効果は、実は勉強法にもよく活用されています。
たとえば試験の勉強をしているとき、ある教科の暗記を途中まで進めておきながら、あえて中断するのです。
これにより、続きが気になって「勉強を再開しやすくなる」「それまでの内容を何度も思い出す」といった効果が得られるのです。
では、もしこの効果を、YouTubeの動画を見ている最中に行ってしまったらどうでしょうか。
当然、YouTubeの動画の続きが気になり、宿題をさせようとしても、目の前のことに集中できなくなることでしょう。
そこで私は、「勝手に終わる時間を決める」ようにしています。
特に約束をしていたわけではないですが、「宿題があるから、YouTubeを見るのは5時までだよ」と伝えるのです。
しかも、こちらが正当である空気をつくるために、「宿題をやらなきゃダメだけど、特別に5時までなら見ていてもいいよ」と、まるでこちらが寛大な心で許してあげているかのような言い方をします。
すると息子はちらちらと時計を気にしだし、5時になって、「時間だよ」と告げると、ちゃんと机に向かってくれるのです。
■自分の中で勝手に締め切りを作る
大人でも、行動に締め切りを設置し、その期限どおりに動くことは多いのではないでしょうか。
もちろん仕事では、何日までに仕上げなくては次の作業に移れない、という理由が存在するため、期限は必要です。
でも、「今日の何時までにこの作業を終わらせよう」と、自分の中で勝手に締め切りを作ることもあります。時間の制約を作ることで、人は自然と動きやすくなるのかもしれません。