ちなみに私は、自分で「その日の何時以内に作業を終わらせる」と決めた制約にはほぼ従うのですが、「あと何日以内に作業を始める」といった、日数をまたいだ取り決めのときは、高確率で守らないことが多いです。

 これは、「明日からダイエットを始める」という、先延ばしの理論に近いような気がします。

 人は、「明日の自分」を別人のように万能な人間と考えてしまう傾向があります。

 そのため、今日の自分がやりたくないことを、「きっとやってくれる」と信じ、託してしまうのです。

 当然ですが、明日の自分は今日の自分の延長にすぎないので、やりません。結果、いつまでもやらないままで済ませてしまうわけです。

 ですから、もし時間の制約で行動を促したいのならば、「その日のうちの何時に」という範囲内で、できるだけ時間の制約を細かく設定することをおすすめします。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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