日本近海でとれるサーモンは、塩焼きをはじめ、石狩鍋、ちゃんちゃん焼きなど、調理して食べるのが一般的でした。それが1980年代半ば、回転寿司がノルウェー産のサーモンのお寿司を販売したことで、生食が全国に拡大しました。マルハニチロの調査によると、回転寿司で好きなネタの1位は、10年連続でサーモンになっています。

 現在、国内で多く流通しているのは、ノルウェーで養殖されたアトランティックサーモンです。ほかにも、日本近海でとれる白鮭や銀鮭、アラスカやカナダ、ロシアでとれるキングサーモンもあります。また、ニジマスを海で養殖したトラウトサーモンや、渓流釣りの人気ターゲットでもあるヤマメが海へ下ったサクラマス、スモークサーモンにされることの多いヒメマスなどの種類があります。

 それらのうち、回転寿司でよく使用されているのは、ノルウェー産のアトランティックサーモンです。チリ産のサーモントラウトを使用しているお店もあるようです。

 そして同じアトランティックサーモンを、ノルウェーではなくイギリス北部のスコットランド地方で養殖したのがスコティッシュサーモンです。ノルウェー産のものが脂乗りを重視しているのに対して、スコティッシュサーモンは、程よい上品な脂とより鮮やかなピンク色が特徴と言われています。イギリス王室では主にこのスコティッシュサーモンが食べられているとのことです。

 そして、イギリスの北方に位置する、デンマークの自治領であるフェロー諸島で養殖されたフェローサーモンも最近出回り始めています。

 くら寿司では現在、イギリス王室でも食されているスコティッシュサーモンのお寿司を販売しています。ノルウェー産のアトランティックサーモンも販売していますので、食べ比べて、どちらのサーモンがお口に合うか試してみてはいかがでしょうか?

○岡本浩之
おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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