衆議院解散の3日前。立憲民主党・辻元清美副代表の代表質問の時、国会の傍聴席には「森友学園」をめぐる財務省の公文書改ざんで自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻・雅子さんの姿があった。夫の無念を晴らすべく、雅子さんは財務省に改ざんの関連資料の開示を求めていた。だが、財務省は11日付で不開示決定とした。
■政策を見て判断して
総裁選の当初、岸田氏は森友問題の再調査に「国民が判断する話だ。国民が足りないと言っているので、さらなる説明をしなければならない課題だ。国民が納得するまで説明を続ける」と前向きともとれる発言をしたが、党内の反発を受け事実上、撤回した。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は、200以上の選挙区で野党一本化を実現できたとした上で、自民党との対決構造についてこう説明する。
「自民党は変わらない。安倍・麻生の支配が続く自民党は構造上、誰も変えることができない。森友問題であれ、加計学園の問題であれ、政権が真相究明をやる気になったら何とでもできる。総選挙では、自民党と立憲民主党は、意見が真っ向から対立している。だからこそ、有権者にはどちらの政権がいいのか、政策を見て判断してほしいです」
総選挙は19日公示、31日投開票。国民が政権を選択する日が迫る。(編集部・中原一歩)
※AERA 2021年10月25日号