同意教育とは、単に性交の時に相手に「いい?」と聞くように教えることではありません。自分の体は自分のもので、誰も他の人の体を好きなようにしてはいけないという大切なことを本質的に理解するための教育です。必修化によって、性暴力や性的マイノリティーへのいじめなどを減らす効果が期待されています。
性的な知識や性行為の際の同意確認の重要性を知ることはもちろんですが、人と人との間では、力の不均衡による支配や抑圧、価値観の刷り込みなどが生じやすいという基本的な認識が不可欠です。
性差別や性暴力の加害者にも被害者にも、そして傍観者にもならないために、早期からの「同意教育」は日本でも必要でしょう。
◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。
※AERA 2022年11月21日号