東京都医師会会長の尾崎治夫医師(右)と兵庫県でクリニックと在宅医療を運営する長尾和宏医師(左)が対談(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
東京都医師会会長の尾崎治夫医師(右)と兵庫県でクリニックと在宅医療を運営する長尾和宏医師(左)が対談(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
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 医師が患者の自宅に訪問診療をする「在宅医療」。コロナにより、そのニーズが高まっている。好評発売中の週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2022年版 コロナで注目!在宅医療ガイド』では、東京都医師会会長であり、自身も都内でクリニックを開業している尾崎治夫医師と、兵庫県でクリニックと在宅医療を運営する長尾和宏医師が対談した。東京都の在宅医療の現状や未来について、コロナ禍における在宅医療の役割について、語りつくした。
※この対談は、2021年8月末におこないました。

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長尾和宏医師(以下、長尾):国が在宅医療を推進して約30年。私も尼崎市で26年間在宅医療に携わってきました。まずは東京都医師会会長である尾崎先生のお立場から、東京の在宅医療の現状や展望についてお話をうかがえればと思います。

尾崎治夫医師(以下、尾崎):東京は特に超高齢化が進んでいます。さらに高齢のご夫婦だけ、あるいは高齢者が一人で住んでいるというケースが非常に増えています。こうした方たちは通院が難しく、必然的に在宅医療が必要になります。このため、開業医にもなるべく在宅に関わってもらいたいとお願いしていて、これから在宅を始めたいという先生方向けに、在宅医療の知識や技術を学べる「在宅医療塾」を開講しています。在宅医療が必要になったから在宅専門の医師を紹介するのではなく、かかりつけ医がそのまま在宅でも診ていくというスタイルが目指すところですね。

長尾:尾崎先生も開業されていますが、訪問診療をされることはありますか?

尾崎:数は多くないですが、かかりつけの患者さんが通院できなくなったケースでは、訪問診療をしています。看取りまでしたこともあります。

長尾:お忙しくてなかなか時間がとれないと思いますが、東京都医師会のトップでもある先生が、訪問診療や看取りもされた経験があるとうかがって、うれしくなりました。

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