撮影に応じる村上さん(左)。改装資金を出した柳井正さん(中)、設計を手がけた隈研吾さんと (c)朝日新聞社
撮影に応じる村上さん(左)。改装資金を出した柳井正さん(中)、設計を手がけた隈研吾さんと (c)朝日新聞社

「試験問題が全然分からなくて、書くのは好きだったんで答案用紙に全然関係ないことをぎっしり書いた。そうしたらちゃんと点くれるんですよ。早稲田って良い所だな~(笑)。面白いこと書いてたら良い点くれるんですよ、先生も」

「この前、文学部の入学式で挨拶したんですけど、僕らの頃は、ほんっとに汚くてね。入学式で挨拶したら、何か飛んでくるんじゃないかっていう大学だったけど、今は皆おとなしく礼儀正しくて、感心しました」

 春樹さんの自由すぎる言葉に会場が沸く。村上ライブラリーのコンセプトは「物語を拓こう、心を語ろう」

「大変な時代だけど、良質な物語を示していくのが小説家の役目だと思う」。そんな春樹さんの提案で、朗読イベント「Authors Alive!~作家に会おう~」を開催。

 ご自身はもちろん、小川洋子さん、川上弘美さん、伊藤比呂美さん、村田沙耶香さん、朝井リョウさんらが登場する。

「『大学解体、再占拠』なんて言って、大学関係者は驚いたかな!?」。会見後、イタリアンレストランで春樹さんがいたずらっぽく微笑んだ。ところで、会見を報道で知った山下洋輔さんのマネージャーの方から僕に電話が。「呼んで下さい。ピアノを弾きますよ!」

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

週刊朝日  2021年11月5日号

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