「ミスターフジテレビ」と呼ばれた夫と山村さん(提供)

「その時は2人の生活を終わりにする自信がなくて許しました。でもこのことは忘れないで、いつか絶対別れてやると思っていました」 

  夫は謝罪したはずだった。

 「けれど、この後も、浮気があったかもしれませんね。どれも軽い感じだったと思いますけどね。宅間は凄くモテたんですよ。ユーモアがあって、おしゃべり上手で、女の子たちをキャッキャッと喜ばせるのがうまかった」 

   夫の宅間さんは結婚当初、フジテレビの営業部に所属していたが、結婚後1カ月もしないうちに編成部へ異動。 

  その後、編成担当として、「ドリフ大爆笑」「夜のヒットスタジオ」「火曜ワイドスペシャル」など、数々のヒット番組を手がけ、フジテレビの黄金時代を創った。その後、映画部へ異動からは、「GTO」「ウォーターボーイズ」「大河の一滴」などのヒット映画を世に送り出した。「ミスターフジテレビ」と呼ばれるようになっていった。

 不倫について書いた理由は? 

「はじめは積極的に書きたかったわけではないんですけれど、夫婦のことを書くのに、ウソをついたり隠したりしてしまうと、また別のところでウソをついて、隠さなければいけなくなりますよね」 

 編集サイドからのアドバイスもあったと明かす。

「『ご主人が浮気をしたんだったら、そういうことも書きましょう』と言われて。その時、私も綺麗ごとばかりを並べてみても、人に響くものがないし、自己満足の本になってしまうと思ったんです。酸いも甘いも書くことが、人の心に残るものにつながると考えました」 

 モテるということなら、キュートな山村さんの方が宅間さんよりもさらにモテたのではないか。 他の男性から誘惑されることはなかったのかと質問してみた。

「そりゃあ、ありましたよ。だけど、そんなことはもう大丈夫です、私はね」とひょうきんアナだった時代のようにかわされてしまった。 

 不倫が発覚した当時は別れることも考えたが、そのうちに別れる意志はお互いになくなっていったという。

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