
フジテレビの伝説のバラエティ番組「オレたちひょうきん族」(1981~89)で、初代ひょうきんアナとして活躍した山村美智さん(64)。
【写真】「ミスターフジテレビ」と呼ばれた山村さんの夫はこちら
現在は女優として活躍するが、フジテレビのプロデューサーだった最愛の夫・宅間秋史(たくま・あきふみ)さんを昨年12月、看取った。著書「7秒間のハグ」(幻冬舎)で山村さんの夫の看取りから不倫写真を発見した瞬間、小泉進次郎前環境相との交流など様々なエピソードを赤裸々に綴っている。山村さんにインタビューした。 【前編】フジ元祖「ひょうきん」アナの山村美智が語るたけし、さんま、島田紳助の思い出「スカートめくりの洗礼も」
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36年半連れ添った夫の宅間さん(享年65)に病院の検査で食道がんが見つかったのは19年7月のこと。がんは既にステージIIIになっていた。手術をしたが、あちこちに転移してしまい、13回も入退院を繰り返した。
最後の入院では、山村さんは51日間、毎日午前7時から午後7時まで、夫に付き添った。その頃の宅間さんは胸の辺りから気管を切開し、人工呼吸器を入れて、言葉を失った。ふたりはノートでの筆談を交わすしかなかった。山村さんは「痛い、痛い」と苦しみ、気持ちが悪くなった宅間さんの背中をさすったり、少しでも痛みが和らぐようにオイルマッサージをしたりと、夫のために全てを捧げていた。どうしてそこまでできたのか?
「何とか生きて欲しいと思ったからです。一緒にいる2人の生活を手放すことができなかったから。彼に生きてもらうためには何をすればいいんだろう、それしか考えられませんでした」
最愛の夫が病に苦しんでいる時に、一緒に付き合うのは辛いことだったでしょうと尋ねると、
「それは精神的にしんどかったです。病院から家に帰る車の中で、本当にいつもいつも号泣しながら帰っていました」
悩みながら、生きるとは何かを考え続けた山村さん。著書の中で、
<秋史も(染めていた)頭髪が真っ白で、人から見たらおじいちゃんだけど、中身は昔と変わっていない。結局歳を取るということは、外側だけ肉体だけのことなんだ>