AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2021年11月8日号では、TORIHADA・社員の関穣さん、映像制作会社・社員の荒浪千絵さん夫婦について取り上げました。
【写真】20歳上の上司にプロポーズ、元バンドマンの夫とファン…さまざまな夫婦のカタチ
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夫(32)、妻(35)で結婚、2人暮らし。
【出会いは?】2019年に、知人の紹介で出会う。
【結婚までの道のりは?】夫が住む神奈川県藤沢市と妻が住む東京・自由が丘の「中距離恋愛」を経て婚約した。結婚式の予定は、コロナ禍の影響で2回延期した。
【家事や家計の分担は?】家事は、その日に合わせて、在宅勤務をするほうが主に担当する。家計用口座を設けて、それぞれが一定額を入金し管理している。それ以外のお財布は別。
夫 関 穣[32]TORIHADA 社員
せき・みのり◆1989年、横浜市生まれ。2012年、明治学院大学経済学部国際経営学科を卒業後、広告会社オプトに入社。17年にフリーランスに転身して、ウェブ広告などのコンサルティングを手掛ける。19年、TORIHADAに入社し、デジタルマーケティングを担当。TikTokなどを活用したマーケティングを支援する
新型コロナウイルスの影響で、両家の親同士の顔合わせもできていません。千絵さんのご両親へのあいさつにはなんとか行ったのですが、お兄さんとも親族の誰ともまだ会ったことがありません。結婚式は2回延期していて、まだこれから。そこが初めての対面になる予定です。
式は沖縄で行う計画です。最初は今年3月の予定でしたが、感染が拡大して、その1カ月前に延期を決めました。それで、5月に延ばしたのですが、直前で、また感染者が増えていきました。出席を予定していた親戚や友達は、もうホテルや飛行機を予約していました。「PCR検査を受けてから行くね」と備えてくれている人もいましたが、式の1週間前に、また延期を決めました。
そんなことになったのに、友人たちは「また出席するよ」「大丈夫だよ」と言ってくれました。こんな状況でも、前向きにお祝いしてくれるんだなと。2度も延期してよかったと言うと差し障りがありますが、うれしかったです。
妻 荒浪千絵[35]映像制作会社 社員
あらなみ・ちえ◆1985年生まれ。静岡県島田市育ち。2008年、明治学院大学文学部フランス文学科を卒業。映像プロダクションでCMを制作。フリーランスを経て、14年、映像制作会社に入社。現在は、自社で制作した映像をテレビ局などに納入している
今年の春に挙式予定だったのですが、新型コロナウイルスの流行で、結婚式が来年に延期になってしまいました。感染対策で両家のあいさつもまだできていないので、婚姻届を出せずにいます。いまは事実婚状態です。
婚姻届を出すときは、私の名字にすることにしようと二人で相談しています。周りからは「旦那さんの姓じゃないの」と驚かれます。私たちとしては「どちらの姓でもいいね」と考えていたのですが、周りからは一言目に「どうして?」と理由を聞かれます。一般的には夫の姓にするのが当たり前なのだな、と思いました。
私の名字にする大きな理由はありません。私の名字は少し珍しいので、変わってしまうと寂しいという気持ちもありましたが、穣さんが私の名字でもいいと言ってくれたことと、お互いの親が好きにしていいと理解してくれたことが大きいかなと思います。
あと、海の近くに住んでいて、この名前ならちょっと面白いかなとも思っています。
(構成/編集部・井上有紀子)
※AERA 2021年11月8日号