たとえば、アレクサンダー・フレミングが実験中に誤ってアオカビを混入させてしまったことにより、抗生物質「ペニシリン」を発見したことなどが、「セレンディピティ」の例とされています。
■「運がいい」と思っているといいことがある
実はこの現象は、日常でも頻繁に起きることなのだそうです。
リチャード・ワイズマンという心理学者が、ある店の入り口に、5ドル札を落としておきました。そして、「自分は運がいい」と思っている人と、「運が悪い」と思っている人に分け、店に入ってもらいました。
すると、前者は5ドル札に気づいたのに、後者は5ドル札に気づけない人ばかりだったのです。
つまり、「いいこと」があると意識して探していると、「他のいいこと」も見つけやすくなるよう、脳が働くわけです。
■子どもの欠点を子どもの前で話すのは……
たまにびっくりするのですが、自分の子どもの前で「この子はこういうところがダメで……」と、欠点を話しだす親がいます。そういうとき、子どものほうを見ると、必ずいたたまれないような顔をして、無言で我慢しています。
日本人は謙虚さを美徳としているところがあり、結婚相手や身内を褒められても「いやいや、そんなことはないです」と否定し、こんなところがダメだと逆に欠点を話しだす人も多いです。
しかしそれは、本人がいないときにかぎったほうがいいでしょう。
もし自分が人前で誰かから「こういうダメなところがあって」と欠点をおおっぴらに指摘されたらと想像すると、かなり不快な気分になります。
多感な時期である子どもは、親に否定されたら、なおさら傷つくでしょう。
息子はたまに、「ママは前に、おばあちゃんとこんな話をしていたよね」と言ってくることがあり、「そんなさりげない会話を聞いていたのか!」とびっくりします。
他の人との日常のやりとりを聞いているくらいですから、自分のことを話されているときなんて、絶対に耳をそばだてて聞いていることでしょう。
でも子どもはそれを、普段は決して表に出さないで、自分の中にしまっているだけなのです。
■役所の面談、子どもの前で悩みを話したくない
そういえば以前、区役所で息子の発達の具合を見る検査があったときのこと。
息子が私の横の椅子に座っているというのに、役所の人が私に向かって、「この子に対してどんな悩みがありますか」「普段、どういう行動をするか具体的に教えてください」と聞いてきたのです。