脳の神経細胞が破壊されて認知機能などが低下する(アルツクリニック東京のホームページから)
脳の神経細胞が破壊されて認知機能などが低下する(アルツクリニック東京のホームページから)
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 あの芸能人の名前が出てこない……。年を取るとよくあることだが、認知症では、と不安にもなる。ならば、まずはどんな病気なのか知っておきたい。今は早期発見のための検査や治療薬、ケアの方法も進化している。最前線を取材した。

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 誰もが気になる認知症。物忘れとは違い、脳の神経細胞の破壊などで、記憶力や判断力などの認知機能が低下して日常生活に支障が出てくる。軽度認知障害(MCI)を含めると、国内に約800万人いると見られ、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれている。

 最も多いタイプが「アルツハイマー型」で全体の6~7割ほど。ほかにも「血管性」や、幻視症状が特徴的な「レビー小体型」、衝動的な行動が見られる「前頭側頭型」などがある。

 認知症の代表的な「アルツハイマー型」は、脳に「アミロイドβ(=ベータ、以下、Aβ)」というたんぱく質がたまることなどで神経細胞が破壊され、認知機能が低下するとされる。約100年前に病気を報告したドイツの精神科医アロイス・アルツハイマーに由来している。

 Aβはアルツハイマー型認知症を発症する20~30年前から脳内に蓄積し始めるといわれている。認知症に至るまでの状態としては、検査での異常は見られないが、もの忘れなど本人だけが感じている段階の主観的認知機能低下、周囲も気づき始める段階のMCIへと移行していく。

 日本神経学会監修の「認知症疾患診療ガイドライン2017」によれば、年間でMCIの5~15%が認知症へ移行。16~41%が健常に戻れるという。早期発見がカギだ。

 では、早期発見するにはどんな方法があるのか。

 認知症予防のクリニック「アルツクリニック東京」院長の新井平伊さんによると、CTやMRIのような画像検査でアルツハイマー病の予兆を発見するのは難しいという。

「望ましいのは脳機能を反映する『脳血流SPECT』であり、ベストは脳病変を画像化する『アミロイドPET』という検査です。アルツハイマー型認知症の病変である脳のAβの沈着部位を検出することができるからです。アミロイドPETならば、沈着部位を発症の20年以上前から見つけることができます」

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