週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2022年版 コロナで注目!在宅医療ガイド』より
週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2022年版 コロナで注目!在宅医療ガイド』より

 こうして入院中に態勢を整えておくと、スムーズに在宅に移行できます。

 また、入院から在宅にスムーズに移行するために重視されているのが「退院前カンファレンス」です。在宅医療を始めるための事前会議で、患者・家族と病院並びに在宅の医師や看護師、薬剤師、介護スタッフ、ケアマネジャーなどが集まります。情報を共有したり、今後の連携を話し合ったりします。

 在宅医療を受けつつも、並行して入院していた病院に定期的に通院するケースもあります。こうした場合などは、病院の担当医と在宅医の役割分担を明確にしておいてもらうことも大切です。退院前カンファレンスは、患者や家族の参加が原則になるため、不安や疑問をまとめておき、この機会に質問して解消しておきましょう。

 通院から在宅に移行する場合も、まずはかかりつけ医に相談しましょう。あまり多くはありませんが、かかっている病院で往診や訪問診療をおこなっている場合もあります。それ以外は医師会などの在宅医療相談室などを通して在宅医や訪問看護ステーションなどの紹介を受けられることもあります。または自宅近くの地域包括支援センターで相談しましょう。

 病院の担当医にはこれまでの診療や治療、病気の状態などについて記録した「診療情報提供書」を用意してもらうほか、電話でやりとりをしてもらうなど、在宅医と情報を共有してもらいます。退院前カンファレンスのように病院と在宅医療に関わるスタッフが顔を合わせる機会がない場合、「診療情報提供書」は必ず書いてもらいましょう。在宅医療専門の診療所などでは相談外来を設置している場合もあるので、不安や疑問がある場合は事前に相談しておくといいでしょう。

■在宅医療で家族がおこなうケア

 在宅医療で家族がおこなうケアには、医療系のケアと介護系のケアがあります。医療系のケアは、たんの吸引や排泄バッグの処理、経管栄養の管理などです。床ずれしないように体位変換をする、関節の可動域を維持するためにからだを動かすといったケアもあります。

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