衆院選ではれいわ新選組から3人が当選した。左から多ケ谷亮氏、山本太郎氏、大石晃子氏
衆院選ではれいわ新選組から3人が当選した。左から多ケ谷亮氏、山本太郎氏、大石晃子氏

──2回目の給付をクーポンにしたのは、貯蓄に回ることを懸念したからだともいわれています。

「貯蓄に回って何か問題があるの?という感じです。逆に言うと、みんなが全部使ったら物価の変動に反応してすぐにインフレ率が上昇してしまう。消費する人が多くないなら、それだけ長期間にわたって給付が続けられることになる。失政による長期デフレでこれだけ国を衰退させ、人々を貧しくさせたのだから、現金給付はその埋め合わせです。使うなりためるなり好きにしてくれ、という政策をやるべき時期だと思います」

──国債を発行しすぎると、短期間に物価が急上昇するハイパーインフレになるとの説もあります。

「それはめったなことでは起きません。米シンクタンクのケイトー研究所の定義では、ハイパーインフレは1カ月あたりのインフレ率が50%を超えるものです。年率換算すると1万%以上にもなる。ハイパーインフレは世界史上、56件起きたとされています。その条件は、大きな戦争などで国内の生産能力が破壊された時や、大革命が起きてこれまでの通貨体制が無効になったような事態です。何十年も2桁台のインフレが続いている場合もそうですが、どれもいまの日本には当てはまらない。

 ただ、日本もハイパーインフレになる可能性はあります。南海トラフ地震が起きた時です。最悪の場合、地震発生から20年間で経済的損失は1410兆円に上ると見られています。東日本大震災の10倍です。ですから、万全の体制で備えるため、防災庁の設置や、太平洋側の企業の生産設備などを移転・分散しておく必要があります」

──山本さんは消費税廃止を主張し続けていますが、恒久的になくすのは可能でしょうか。

「廃止は実現可能です。実は、消費税は法人税が下げられた分の補填に回されているんです。消費税がスタートした1989年から2016年までの消費税の税収は累計で263兆円。一方、法人税はこの間に192.5兆円も減少しています。つまり、消費税の税収の約73%が、法人税の減収分の埋め合わせにされている計算になります。消費税は社会保障充実の財源とされてきましたが、実際には一部しか使われていません。こんなデタラメな話はないよな、ということなんです。

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