れいわ新選組の山本太郎代表が、衆院議員として2年ぶりに国政に復帰した。衆院選で掲げた「れいわニューディール」の「景気爆上げ大作戦」とは、いったいどんな内容なのか。本当に、庶民の暮らしを良くできるのか。じっくりと話を聞いた。
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──自公政権の「18歳以下の子どもに10万円」などの給付金について、どう評価しますか。
「年収などで線引きしていたら、時間ばかりかかってしまいます。とにかくスピード重視で、一律に支給するべきです。富裕層には、後で所得に応じて税金で返してもらえばいいのです。年内に現金5万円、残りの5万円を来春にクーポンで出すなんて、寝言は寝てから言ってくれという話です。あまりにもケチすぎる。
人々の生活の現状をまったく理解していない。コロナ禍の前から、25年間にわたるデフレ不況で、みんな大変だったんです。そこへコロナが来た。ダブルパンチです。命をつなぐための給付金なのですから、もっとコンスタントに出していくことを考える必要があります」
──政府・与党の経済対策の財政支出は40兆円超といわれています。本来、どのくらいの規模で実行するべきですか。
「例えば、国民みんなに毎月10万円を給付すると、1年間で144兆円の費用がかかる。財源は国債発行です。円やドルなど自国通貨を持つ国は、財源が少ない時にはお金を刷って増やせるから、財政破綻は起きません。ただし、無限にやったら物価が高騰してひどいインフレになってしまう。そこで、インフレ率(消費者物価の上昇率)2%という上限を設定して、物価を安定させる。つまり、インフレ率2%までならば、国債発行で大胆な財政支出が可能なのです。
参議院の調査室に試算を依頼すると、毎月10万円の給付を続けた場合、1年目のインフレ率は1.2%、2年目は1.4%、3年目は1.8%でした。つまり、デフレとコロナ禍で傷んだ社会と人々の生活を底上げするために、年間100兆円、200兆円規模の国債発行は問題ありません。日本には供給力があるので、それくらいの財政を拠出する体力は十分にあるのです」