飼い主さんの目線で猫のストーリーを紡ぐ連載「猫をたずねて三千里」。今回、お話を聞かせてくれたのは首都圏に住む主婦、エミさん。結婚後、長女が生まれてしばらくはペットのいない生活でした。しかし長女が小学5年の時、保護猫を迎えることに。そのころ、ある事情から家族は大変な時期でしたが、猫が魔法のように家の雰囲気を変えたそうです。そして夏に2匹目の子猫を迎えました。猫の持つ不思議な力についてお話を。
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わが家には今、2匹の猫がいます。主人、私、中1の娘の3人家族のもとに雪ちゃん(2歳)が仲間入りしたのは2年前。さらに今年の夏、弟分の海君(4か月)も増えて、にぎやかな生活です。
雪ちゃんは娘のナナが大好き。学校から帰ると、大急ぎで居間から娘の部屋に移動します。海君と雪ちゃんの仲良しぶりもほほえましく、家族みんなが猫に癒されています。
でも、じつは我が家では2年前にちょっと大変な時期があり、猫はまさに家族の救世主なのです。
◆ペットを飼う余裕も発想もなかった
私は動物が大好きなのですが、2年前まで、わが家は、ペットを飼う余裕も発想もありませんでした。
娘が5歳の時、競技スポーツを始めたのです。週1、2日のちょっとした習い事のつもりが、3か月後には週5日の練習になりました。小1の時に初めての試合に出て、さらに練習に明け暮れる毎日となりました。
登校前の朝練、下校後は夜まで練習で、私は離れた練習場までの車の送迎を2往復、毎日しました。娘は車で宿題、着替え、夜ごはんのお弁当も食べて、といった生活。本人は好きで夢中になって、私も娘が上達していくのがうれしくて、主人はスポーツ選手だったこともあり目標にむかって努力する娘を応援していました。
小学4年の夏には、全国から選考会を突破した子が集まる合宿に参加。秋に初めて全国大会にも出場できました。
なかなか猫の話にならないのですが……とにかく留守にする時間が多く、ペットと暮らすことは考えられなかったのです。