藤原と同じく高い期待を背負ってプロ入りしながらも苦しんでいるのが同期の根尾昂(中日)だ。3年目の今年は開幕スタメンを勝ち取り、3月31日の巨人戦ではプロ初打点、5月4日のDeNA戦ではプロ初ホームランとなる満塁弾を放つなど順調なスタートを切ったかに見えたが、6月以降は大きく成績を落として登録抹消。シーズン終盤に一軍復帰を果たしたものの、目立った活躍を見せることはできなかった。
一軍だけでなく二軍でも打率は1割台に低迷しており、コンタクト力がなかなか上がってきていないのが現状だ。ただ外野の守備に関しては広い守備範囲と強肩で度々好プレーを見せており、一軍でも上位の力がついてきたことは好材料である。チームはドラフトで3人の外野手を指名しており、競争はさらに激しくなるが、キャンプ、オープン戦からアピールしてレギュラー争いに加わりたいところだ。
来シーズンが大きなチャンスの年となるのが正隨優弥(広島)だ。亜細亜大を経て2018年のドラフト6位で広島に入団。今年までの3年間で一軍では4安打に終わっているが、そのうち2本はホームランと持ち味のパンチ力を発揮している。また二軍では2年連続で3割近い打率を残すなど、大きな課題となっていたミート力が向上してきているのも心強い。チームは先日主砲の鈴木誠也がポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を発表し、その穴を埋めることは急務である。ドラフトでは3位で中村健人(トヨタ自動車)、6位で末包昇大(大阪ガス)と右打ちの外野手2人を獲得しているが、プロでの経験は正隨に一日の長があるだけにレギュラー獲得のチャンスも十分にあるだろう。
最後に紹介したいのが来年の有力なドラフト候補となることが予想される山田健太(立教大・二塁手)だ。大阪桐蔭では藤原、根尾とともに甲子園春夏連覇を達成しており、当時から注目している高校野球ファンも多いだろう。立教大に進学後も1年春からレギュラーとなると秋にはベストナインを獲得。昨年は少し打率を落としたものの、今年はしっかりと持ち直し、3年秋終了時点で4年生も含めた現役選手で最多となるリーグ戦通算62安打を放っている。