AERA2022年11月14日号より
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■FWにスピード求めた

 また、予選終盤では代表から外れていた鎌田大地(26)が、ここへきて攻撃の司令塔として存在感を増していることもFWの選考に影響したと考えられる。所属のアイントラハト・フランクフルトでも欧州最高峰のチャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出の立役者となるなど絶好調だ。最大の武器は敵の背後を突くスルーパス。鎌田との相性という点でFWにスピードを求めたと言えるかもしれない。

 FW浅野とDF板倉滉(25)はいずれも9月中旬にひざを痛め、現時点でともに所属クラブで実戦復帰できていない。加えてMFの久保建英(21)は左肩の脱臼、守田英正(27)はふくらはぎ痛で直近の試合を欠場するなど、ケガ人が相次いでいる。だが、森保監督は自信を持って選出したと力を込める。

「W杯ではトップパフォーマンスでプレーできるとトレーナー、ドクターと情報を共有している」

■サプライズは相馬勇紀

 招集がサプライズとされたのは、攻撃的な選手では唯一国内から選出された名古屋のMF相馬勇紀(25)だ。昨年の東京五輪、通算3得点で最優秀選手(MVP)に輝いた今年7月の東アジアE-1選手権、同9月の欧州遠征と限られたチャンスのなかでアピールを続け、代表の座をつかみ取った。サイドでのドリブル突破が持ち味で、MF三笘薫(25)と同様、試合の流れを変える“切り札”として期待される。カタールW杯では、これまでの大会と比べて登録メンバーが23人から26人へ、試合中の交代枠が3人から5人へと増えた。それだけに、彼らの起用法が試合のカギになるかもしれない。

 不運にもメンバー発表直後にDF中山雄太(25)の負傷が明らかになり、代替選手が誰になるかも注目される。

 初の8強以上をめざす日本代表。11月17日にアラブ首長国連邦のドバイでカナダと国際親善試合を行い、ドイツ戦に備える。(ライター・栗原正夫)

AERA 2022年11月14日号

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