――自身の功績には胸を張る一方、日本の女子体操界を見渡すと気がかりなこともある。

 私がメダルをとるまで、日本の女子は前回の東京五輪以降、一度もメダルがなかったことを考えると、もっと強くなっていかなきゃいけないな、と。世界で常に決勝(予選の上位8人)に残れる選手、メダルをとり続ける選手がいる体操界になってほしいと思うようになりました。

――現役生活の終わりが近づくにつれ、その思いはどんどん強くなっていった。だから、セカンドキャリアは指導者の道を選んだ。まずは母校の日体大でコーチとして後輩の指導にあたる。

 いつか日本代表選手にも関わりたいです。日本の女子を強くするためなら何でもします。審判や指導者の資格をとるための勉強をして、振り付けもできるようになりたい。もともと踊ることは好きなんです。現役の時から、家でひとりで平気で3~4時間は踊っていました。BTSのファンで、振り付けも完コピできます! 今月末からダンスレッスンも始めるんです。早く体を動かしたい。競技としての体操はもういいですけど(笑)。

(朝日新聞記者・金島淑華)

AERA 2021年11月29日号

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