エッセイスト 小島慶子
エッセイスト 小島慶子
この記事の写真をすべて見る

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

*  *  *

 会社の飲み会は好きですか。

 7700人余りを対象にした日本生命保険の調査で、いわゆる飲みニケーションが「不要」と答えた人は全体の62%。昨年の調査よりも16ポイントほど増加しています。コロナ禍で、付き合いの飲み会から解放されてホッとした人も多いのでは。20代以下では66%が「不要」と回答。一方「必要」と答えた人は全体の38%。20代以下から60代以上までのすべての世代で、昨年の調査よりも10ポイント以上減少しました。男女比で見ると、男性では「必要」と答えたのが44%なのに対して女性は32%と12ポイントの差があります。「必要」の理由は「本音を聞ける・距離を縮められる」が58%、「情報収集を行える」39%、「ストレス発散になる」34%でした。

 私は会社員だった頃、職場の飲み会にはあまり参加しませんでした。楽しく話せるのは束の間、大抵は人事の噂話や悪口、探りの入れ合い、マウント合戦、説教、喧嘩、私生活のしつこい詮索、セクハラなど、職場の仲間の見たくない面を見て疲れてしまうからです。そんなわけで、会社を辞めるときの送別会も仲のいい人たちと小さなご飯会を何回かやって済ませてしまいました。独立後は仕事で会食する機会が増えましたが、信条は「酔っ払いの言うことは信じない」。四半世紀働いてきて、お酒の席での会話が具体的な仕事の進展や建設的な提案の実現につながったことは一度もないと断言できます。単になんとなく親しくなったからよくしてもらえるかもという安心感を得たくて参加する人がほとんどなのでは。私は今では話していて本当に楽しい人としか会食しないと決めています。少人数で人と人をつないだりするのは、とても有意義ですよね。コロナ後の飲みニケーションは、小規模でみんなが楽しめる形になるのでは。ぜひそうなってほしいです。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

今年10月に行った日本生命保険の調査で、いわゆる飲みニケーションが「不要」と答えた人は全体の62%に及んだ(gettyimages)
今年10月に行った日本生命保険の調査で、いわゆる飲みニケーションが「不要」と答えた人は全体の62%に及んだ(gettyimages)

AERA 2021年12月6日号

著者プロフィールを見る
小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

小島慶子の記事一覧はこちら