――大食いにハマるまではどのような生活を送っていたのでしょうか?
一言でいうと、クズみたいな生活でした。パチンコやスロットなどのギャンブルをやりまくっていて、消費者金融からの借金は数百万。ちなみに鈴木家はギャンブル家系で、父親は競輪、競馬、オートレスなどが大好きでしたので、その影響も大きかったんでしょうね。20代の頃はとくにひどかった。仕事はというと、トラックの運転手やガラスの施工、ピザ屋の配達などで稼いたお金はすべてギャンブルに使っていました。だから借金は膨らむ一方。最終的には家賃すらも払えなくなったので、女の子の家を転々とするようになりました。今の嫁さんと出会った時の月給も5万円でした。何度も言いますが、ほんとうにクズでしたね。大食い王決定戦に出場したのは、「そんな生活を何とか変えたい」そんな一心でした。
――「大食い王決定戦」では3度優勝。どんなトレーニングをしているのですか?
基本的には3カ月前からトレーニングを開始します。例えば、20分でカレーを8キロ食べるとか、一日で体重を10キロ増やすとか、30分ひたすら激熱のラーメンを食べるとか、そんなトレーニングを週に3日のペースで続けていきます。胃って気を抜くとすぐに小さくなってしまうので、大食いをする間隔をあけちゃ駄目なんです。おそらく3日あけただけでも全然食べられなくなってしまう。それにトレーニングでは3、4キロを食べるだけでは不十分。8、9キロ以上は食べる必要があります。「胃が小さくなる」ってことに関しては、つねに強迫観念みたいなものがあります。正直かなりきついんですけど、これを続ければ優勝できるんです。
――それだけ食べると、かなり身体に負担があるように思います。
大食いは下手すると死んでしまう可能性があります。過去にも、大食い番組を真似した中学生が死亡するといった事件もありました。僕は「大食い選手」と「フードファイター」の2種類に分けられると考えています。「大食い選手」は分かりやすくいうと「エンタメ」です。できるだけキレイに食べて、YouTubeでも汚い部分は編集で見せない。でも「フードファイター」は「スポーツ」です。キレイに食べることなどは考えずに、目の前に出てきた料理をとにかく早く食べる、編集もできるだけノーカットで見せる、そういう違いです。