2020年1月2日の一般参賀でおことばを述べる天皇陛下と皇后さま。来年の正月はお二人の声を聞けるのだろうか
2020年1月2日の一般参賀でおことばを述べる天皇陛下と皇后さま。来年の正月はお二人の声を聞けるのだろうか
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 皇族の肉声が消されている。宮内庁が公開する映像は音声が消され、あとは写真だけ。SNSの普及などメディア環境が激変する中で、本当にそれでいいのか。皇室は変化の時を迎えている。

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 12月1日に愛子さまが20歳の誕生日を迎えたことを受け、宮内庁が愛子さまの映像を公開した。

 木漏れ日が差し込む皇居・御所内の遊歩道で、愛犬「由莉」と一緒に散歩する愛子さま。時折優しく犬をなで、そしてカメラに向かってほほえむ。その後、皇室にゆかりのある美術品を収蔵している皇居内の「三の丸尚蔵館」で、愛子さまが大学で専攻している日本文学に関する資料を見ている。そこでは、学芸員と思われる女性から説明を受け、会話を交わしている……。しかし、その映像に音声はなかった。

 映像が撮影されたのは11月14日と22日。成年皇族になった節目の誕生日だったが、文書で「これからは成年皇族の一員として、一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております」とのコメントが発表された。

 愛子さまだけではない。秋篠宮家の長女・小室眞子さんの10月23日の誕生日に公開された映像でも、音声はカットされていた。その後、眞子さんは小室圭さんと一緒に結婚報告の会見を開いたが、「眞子さんの肉声を久しぶりに聞いた」と感じた人も多かったのではないか。

 なぜ、公開される皇族の映像で肉声は消されているのか。象徴天皇制を研究する、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授はこう話す。

「宮内庁は、映像の音声を消すことで皇室の格調を高くし、権威性を保持する手法を以前から用いていました。一方で、昭和の時代には皇族が週刊誌や月刊誌に登場して語ることがよくありました。ただ、皇族が本音を語ると周囲に迷惑がかかることも多い。そのため、近年の宮内庁は皇族の肉声を積極的に伝えなくなったのではないでしょうか」

 もちろん、皇族の肉声がすべて隠されているわけではない。天皇陛下は誕生日に際し記者会見を開き、新年などの節目にはメッセージを発表することが慣例化している。愛子さまも、昨年10月に大学に初めて登校した時は、カメラを前に「半年遅れではありますが、キャンパスを実際に訪れ、先生方や学生の皆さんにお会いできることをうれしく思います」と話した。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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