※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 治療の普及や進歩で、ぜんそくの重症化率・死亡率は大幅に減少した。一方で、吸入薬が継続できていない、正しく吸えていない、合併症があるなどが原因で、症状が完全に治まらない場合が多いことが問題になっている。

【データ】大人のぜんそく、かかりやすい年代や症状は?

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 1990年代前半までは、年間5千~6千人が、ぜんそくの窒息死で亡くなっていた。それが2009年には約2千人まで激減している(厚生労働省統計)。これは治療ガイドラインの普及や治療薬の進歩によるもの。近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科特任教授の東田有智医師はこう話す。

「かつてぜんそくの症状は、気管支が収縮することで起きると考えられていて、気管支を広げる気管支拡張薬が主に使われていました。しかし気管支鏡(気管支に挿入するカメラ)の進歩や研究で、ぜんそくはアレルギー性の気道の慢性炎症だということがわかりました。炎症を抑える吸入ステロイド薬による治療が基本となり、症状を抑えられるようになったのです」

 治療には、発作を予防する「長期管理薬」と、急性発作を治す「発作治療薬」が用いられる。

 長期管理薬の吸入ステロイド薬は、症状がなくても予防のために毎日服用する。経口薬や注射薬のステロイドと異なり、ほとんど副作用がない。発作があるときには、即効性のある気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)を使用する。

■予防薬と治療薬の合剤が主流に

 気道の炎症が続くと気道は変形して硬くなり、治りにくくなる。早期に治療して炎症を抑えること、発作を起こさないようにすることが大切だ。

 近年は、吸入ステロイド薬に気管支拡張薬を加えた配合剤が使用される。長時間作用性β2刺激薬を加えた2剤配合の吸入薬、さらに長時間作用性抗コリン薬も加えた3剤配合の吸入薬がある。

「初診で来院する患者さんは、ほぼ毎日症状が出ている人が多いので、まず配合剤を処方するのが、現在は治療の主流です」(東田医師)

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