熱狂と波乱に満ちた2021年シーズンが幕を閉じた。今季も開幕前の期待を上回る活躍を見せた選手が多くいた一方で、不振に喘ぎ、思うような結果を残せず、年俸に見合った成績を残せなかった選手、球団、ファンの期待を大きく裏切った選手たちもいる。プロならば批判も致し方なし。ズバリ、2021年の “ワーストナイン”をセ・パ両リーグで選出したい。以下はパ・リーグ編。/セ・リーグ編に続く→巨人が“最多”の選出…期待外れだった選手たち【ワーストナイン2021 セ・リーグ編】
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<投手>
■増田達至(西武)
期待値以下だった投手は多くいるが、その中でもライオンズの守護神の働きは推定年俸3億円の価値はなかった。2015年に40ホールドで最優秀中継ぎ投手となり、翌2016年からは絶対的守護神として5年間で通算133セーブを記録。昨季は48試合で5勝0敗33セーブ、防御率2.02で“無敗のセーブ王”になった男だが、今季は開幕から状態が上がらず。4月22日のオリックス戦、5月1日の日本ハム戦で、ともに3点リードから4失点してのサヨナラ負けを喫して二軍降格。一時は防御率が7点台までに悪化した時期もあった。後半戦に一軍再昇格してからは中継ぎとして復調したが、結局は登板33試合で0勝3敗9ホールド8セーブ、防御率4.99。最下位に沈んだチームの中で、増田の不振は非常に大きかった。
<捕手>
■宇佐見真吾(日本ハム)
全体として「及第点」の働きをしたパ・リーグ各球団の捕手陣だったが、その中で敢えて“ワースト”を選ぶならば、元巨人のこの男になる。今季は正捕手奪取の期待もあったが、移籍後3年間で最少の出場32試合にとどまり、本来持っているはずの柔らかいバットコントロールも影を潜め、打率.116&得点圏打率.077と低迷。守備でも100試合に出場したライバルの清水優心と同じ4捕逸を記録した。今季の推定年俸が清水と同じ2400万円だったことを考えると、攻守においてもう少し存在感を見せたかった。
<一塁手>
■銀次(楽天)
シーズン100安打以上を続けて「3割近い打率は当たり前」の安打製造機だった男。昨季88試合で打率.236(212打数50安打)と低迷したところからの再起を誓った今季だったが、開幕2戦目に代打出場で手首を痛めて戦線離脱すると、7月には新型コロナウイルスの検査で陽性反応となり再び長期離脱。不可抗力の不運な面はあったが、結果的にはレギュラーに定着した2012年以降、自己最少の35試合出場&26安打で、打率.286。推定年俸1億1000万円の期待を大きく裏切るシーズンになった。来季は3年契約の3年目。鬱憤を晴らせるか。