photo 写真映像部・高野楓菜
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妻 小柳朋子[39]一般社団法人 気仙沼地域戦略

こやなぎ・ともこ◆1983年、千葉県生まれ。自由学園最高学部2年課程卒業。愛媛県で染織を学び、京都で帯の織り職人として働く。2015年、結婚を機に気仙沼市へ移住。17年から現職。市の観光振興や、まちの事業者との商品開発、発信など地域活性に取り組む

 どこでもやっていけると思って移住しました。最初は喧嘩もしましたが、こっちは生半可な覚悟で来てねえんだぞって思いで根気よく対話を続けて今の私たちがあります。

 来てすぐ「気仙沼つばき会」という、おもてなし団体からの声がけで入会。地域の女将さんたちと活動するうちに、私にも港町マインドがインストールされました。

 それは来た人を迎え入れ、行ってらっしゃいと送り出し、またおかえりなさいと言える精神。ここは世界に開かれた港町で、オープンな気風があります。

 娘は気仙沼生まれ。子育てにもありがたい環境で、近所の人が「何かあったらいつでもおいで」と言ってくれたり、風邪を引いた時にスープを差し入れてくれたりと支えられています。移住して7年。今は娘にのびのび育ってほしいという願いと、地域に恩返しをしたい気持ちがあります。まちは復興の段階から、次の日常のスタートラインへ。そこに私たちもともに立っていると感じます。

(構成・桝郷春美)

AERA 2022年11月7日号

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