田中英寿容疑者の自宅
田中英寿容疑者の自宅

「アメフト騒動以降は、東洋大が逆転している状態です。これはアメフト騒動の悪影響があったというよりは、東洋大が積極的に新設学部を作り、キャンパスの都心回帰を推し進めたところが大きい。日大も2000年代以降に2学部を新設したのですが、スポーツ専門の学部と危機管理学部で、規模が小さくメジャーな学部とは言いづらい。一方の東洋大は情報系や観光系の学部など、社会のニーズにあった学部学科を都心に次々と新設している。受験生からすれば、ニーズにあった新設学部があって通いやすいとなると、志願しようかという話になる」(石渡氏)

 一連の日大不祥事と東洋大の躍進によって、今後「日東駒専」のグループ分けに変化が生じる可能性はあるのだろうか。石渡氏は次のように指摘する。

「『日東駒専』というクラス分けから日大が落ちて、その次に位置づけられる『大東亜帝国』と同ランクになるというのは、すぐには考えづらい。ですが、今回の事件を受けて、『日東駒専』の中で日大と東洋の立場が完全に逆転し、東洋が1番手、日大が2番手以降になっていくのはまず避けられないことだと思います」

 近年は「日東駒専」のうち上位2校である日大・東洋大を、より難易度が高い成蹊大・成城大・明治学院大と合わせて『成成明日東』とくくる呼び方もあり、一部予備校などで使われ始めている。

「『成成明日東』のくくりでいうと、日大が外れていく可能性はあるかと思います。『成成獨國武』(成蹊・成城・獨協・國学院・武蔵)に明治学院と東洋を加えたあたりが、MARCHクラスのやや下の位置づけになっていき、次が『日駒専(日大・駒澤・専修)』になる可能性も否定できないかなと思います。今回の不祥事を引きずったまま日大が再生の姿勢を示すことができないとなると、志願者がどんどん減っていき、今後、結果として偏差値が下がっていく可能性は考えられます」(石渡氏)

 一方で安田氏は、大学グループの“地殻変動”の可能性は低いとみる。

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日大のブランドが回復するかはわからない