――コロナを乗り越えて、6月2日の交流戦、日本ハム戦で復帰しました。その試合でいきなり2安打と活躍でした。
「コロナは1週間ほどで陰性になったので、すぐに家でバットスイングをはじめて、一日も早い復帰を目指しました。レギュラーの自分が離脱というのは、チームに大きな迷惑となってしまいます。ましてや、うちのチームは交流戦の成績が毎年、あまりよくないので余計に早く戻らねばという思いでいっぱいでした」
◆コロナの後遺症で息が続かない
――今年、最も印象に残っているプレーが6月2日にあったそうですね?
「8回裏、2対0でカープがリード。自分が2塁打を打って、3塁まで進んだ。バッターの西川龍馬はピッチャーゴロ。自分は三塁から一瞬、飛び出し、フェイクで止まったふりして、ホームへ突っ込んだ。相手ピッチャーはフェイクで判断を迷って、ホームへの送球が遅れ、ダメ押し点がとれた。自分のプレーで勝ったという場面はあまりないですが、あのプレーはまさに自分で1点を取ったんだぞ、と充実感ありましたね」
――しかし、その後、コロナの影響もあってか、チームも菊池さん自身の調子はなかなかあがらない状態が続きました。
「コロナの影響はありましたね。肺活量というのか、息が続かず、すぐにゼーゼーってなり、感覚がなかなか戻らなかった。コロナがグサリと突き刺さってしまったのが悔しいです。それともう一つは左足を骨折してしまったことです」
――後半戦はほとんどの試合、出場していましたが、骨折していたのですか?
「今だから言いますが、8月の京セラドームの阪神戦でした。自分で打った打球が左足を直撃。当たった瞬間、すごい冷や汗で、やってしまったかと思うほど、痛かった。しばらく腫れがひかず、毎日、痛くてどうにもならないほどでした。しかし、これ以上、チームを離脱するわけにはいかない。監督には『全力疾走できない時もありますが、バレないように走ります。ぶっ壊れても構わないので』とお願いして、プレーを続けました」