昭和の時代は家族で出かけ食堂で食事をするのが一大イベントだった
昭和の時代は家族で出かけ食堂で食事をするのが一大イベントだった

「百貨店のメリットはネット通販で体験できないサービスがあること。日本橋高島屋(東京都中央区)のポケモンセンターではイベントを楽しみ、コト消費の拠点になる」(久我さん)

「ポケモンセンター トウキョーDX」はゲームソフトやカードゲーム、オリジナル商品などを扱う、ポケモンのオフィシャルショップ。イベントや、購入者への抽選会もある。常設カフェもあり、ポケモンをモチーフにした食べ物や飲み物などが提供される。

 百貨店はさまざまな商品を陳列・販売していた時代から、様変わりしつつある。従来の百貨店は「瓦解している」と話すのは、消費ジャーナリストの青山直美さん。

「ほしいものがなくなっているのが今の百貨店で、ほしくないものばかり。若い人は洋服ではなく、インスタやツイッターで自己表現し、百貨店が若い人の気持ちと合っていない」(青山さん)

 百貨店が瓦解した要因として、青山さんは「消化仕入れ」という商品の調達方法を指摘する。「買い取り仕入れ」と違い、百貨店側は商品が売れたときに仕入れたとみなす。納品するメーカー側は、商品の陳列や価格の決定権でブランドイメージを維持できる。

「売れなくても、百貨店の在庫にならない。売れなくてもいいものを並べてしまい、売り切ることに緩くなってしまう」(同)

 一方、コロナ禍の小売り現場などでは、オンライン接客が増えているという。ニトリでは、顧客がスマートフォンやタブレットなどで自分の部屋を撮影しながら、リフォームアドバイザーが相談に応じている。家に人が入るのが嫌な人でも、これなら気軽に相談できる。

 松屋銀座(東京都中央区)は11月、売り場をネット上に再現したバーチャルストアを開設した。店舗に行かなくても、画面上で売り場を歩き、商品を見て回れる。デザイン性に優れた食器や雑貨などの売り場「デザインコレクション」を360度見わたせる空間を画面上に再現し、一部の商品はネットで購入できる。

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