ドラマ、映画、舞台、バラエティなど幅広いジャンルで活躍する俳優・八嶋智人さん。作家・林真理子さんとの対談では、俳優を目指した少年時代の話、脚本家で演出家・三谷幸喜さんとのエピソードなどを語ってくれました。
【前編/八嶋智人がジョージ・ルーカスに英語で質問 アドリブが功を奏したエピソード】より続く
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林:私、「マッサン」(NHK朝ドラ 14年9月~15年3月)に八嶋さんがお出になってるのを見て、すごくおもしろい人だなと思いましたけど、もともとは舞台の方ですよね。
八嶋:そうです。
林:奈良にいた少年時代に、東京から「劇団四季」なんかが来て、それを見て俳優になりたいと思ったとか?
八嶋:いや、そういういいエピソードはないんです(笑)。小学校のときから運動会の司会をやったりとか、とにかく目立つことが好きで、モテたかったし、キャーキャー言われたかったんですね。関西だからかもしれないですが、おもしろくウケを狙い続けていれば、女の子からも「八嶋、おもしろいんちゃう?」ってなるんですよ。僕、自分のことをずっと覚えておいてもらいたいという思いが大きかったんです。だから、人前にたくさん出続けたら、覚えていてもらえるな、と思って。そこからだんだんお芝居に興味を持つようになりました。
林:でも、奈良だとなかなかお芝居を見る機会がないですよね。
八嶋:大きなお芝居はそうなんですが、当時、小劇場ブームだったので、大阪に見に行ってました。扇町ミュージアムスクエアという、今はなくなってしまった小さな劇場があって、その上に「劇団☆新感線」と「南河内万歳一座」という劇団の稽古場と事務所があって、すごく目立ってたんです。僕はとくに後者のほうが大好きで、たくさん見に行ってました。
林:なるほどね。
八嶋:そこから野田秀樹さんの「夢の遊眠社」を見に行って、「野獣降臨(のけものきたりて)」なんて、難しい作品がおもしろいと思えたんです。中3か高1ぐらいから、ああいうのをやりたいなと思い始めて。