■どさくさに紛れて縮小
講演会の参加動員も昨年度からなくなった。以前は教育委員会やP連からたびたび講演会への出席を求められ、各PTAから5人の保護者がやむを得ず参加していた。女性は4年前に本部役員をしていた際、動員をやめることを提案したが、他の役員から「やらせなきゃダメ」と止められ変えられなかった。しかし昨年度はコロナで講演会自体が激減し、空気が変わった。会長も「義務ではない」と言って参加依頼をスルーするようになり、動員は終わった。
「プールの授業がなくなり、PTAは夏休みの監視当番を出さなくてよくなった。換気の問題から夏休みの図書館開放も取りやめになり、保護者の図書当番もなくなった。コロナの『どさくさ』に紛れて、会長がうまく活動縮小を進めてくれた」
もちろんあった方がよいPTA活動もあるが、必要性がわからないまま前例踏襲が続いてきたものが、コロナをきっかけに見直されたわけだ。(ライター・大塚玲子)
※AERA 2021年12月20日号より抜粋