(週刊朝日2021年12月31日号より)
(週刊朝日2021年12月31日号より)

 二つの大学は、今年行われた入試で大がかりな入試改革をした共通点がある。立教は、個別に実施していた学部試験を全学部日程に統一し、5日ある試験日で同じ学部を最大5回まで受けられるように機会を拡大。志願者数は前年比107%の6万5475人となった。

 ナガセの市村さんは「大半の大学が志望者を減らしている中で、入試制度改革が奏功したケース。数のうえでは、今年は立教の『一人勝ち』だった」と指摘する。

 対する青学は一部の学部を除き、大学入学共通テストと学部独自試験を併用する試験方式を導入。志願者は4万123人で、前年比69%だった。出願時には立教が勝ち越すかに見えたが、入学時点では青学を選ぶ受験生が増えた。青学・教育人間科学と立教・文のダブル合格では94%、青学・経営と立教・経済のダブル合格では73%が前者を選ぶなど、学部によっては大差がつくところもあった。

(週刊朝日2021年12月31日号より)
(週刊朝日2021年12月31日号より)

 このほか、SMARTでは理科大が圧倒的に強い。GCH(学習院・中央・法政)との対決を見てみよう。法政とのダブル合格では98%、中央とのダブル合格では96%がそれぞれ理科大を選択。東京理科・工と法政・デザイン工、東京理科・先進工と中央・理工のように、100%が理科大を選んだケースもある。芝浦工業や東京電機など、都内にある他の理系大学とダブル合格した場合も、ほぼ100%が理科大への進学を選んでいる。

-は人数が基準に満たないため非掲載。小数点以下を四捨五入しており、たとえば「0%」でも入学者がゼロでない場合もある。(週刊朝日2021年12月31日号より)
-は人数が基準に満たないため非掲載。小数点以下を四捨五入しており、たとえば「0%」でも入学者がゼロでない場合もある。(週刊朝日2021年12月31日号より)

 同大学務部入試課の中尾拓史さんは、人気を支える背景に「教育力」と「就職力」を挙げる。同大は創立当時から「実力主義」を教育方針として掲げており、各学科ごとに定めた「関門科目」という指定必修科目の単位を取らなければ進級できない仕組みになっている。ただし、厳しい分、サポートは手厚い。

 各キャンパスに学習相談室を設け、学部2年生以上の学生が常駐。大学での学びの基礎となる数学・物理・化学の各科目について相談に乗る。

 同大のホームページによると、21年卒業生の実就職率は92%以上。卒業生4千人以上の大規模大学ではトップの数字だ。中尾さんは「関門科目制度を利用した実力主義が、『理科大を卒業していれば大丈夫』という太鼓判につながっている」と話す。

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