先述した千賀や武田のようにFAが絡んで大幅に年俸が上がるケースは少なくないが、今年その恩恵を受けながら期待に応えることができなかったのが増田達至(西武)だ。昨年オフにFA権を行使して西武に残留。1億1000万円アップとなる3億円で4年契約(最終年のみ年俸変動制)を結んだが、大型契約1年目の今年は5月から3カ月以上二軍暮らしが続き、プロ入り以来最低となる33試合登板、防御率も4.99という成績に終わった。9月から10月にかけては8試合連続無失点を記録などシーズン終盤に復活の兆しを見せたことは好材料ではあるが、来年も今年と同じような成績に終わればソフトバンクの選手たちと同様に風当たりはさらに厳しくなりそうだ。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員