
会員数5千人を超す、日本最大のゴルフ組織、公益社団法人「日本プロゴルフ協会」(以下PGA)がお家騒動で揺れている。PGAの倉本昌弘会長が「解任」に追い込まれる可能性もあり、12月24日に予定されるPGA理事会の行方が注目されている。
【画像】独自入手した12月10日付の第三者委員会報告書はこちら
PGAは2013年5月1日に内閣府の公益社団として法人化、シニアツアーの運営もしている。問題になっているのは、PGAのホームページなどIT化、ウェッブ戦略をめぐるカネの流れだ。AERAdot.編集部は2021年5月13日付と同年12月10日付に提出された2通の第三者委員会報告書、関連資料を独自入手した。そこにお家騒動に至る経過が報告されていた。
コトの発端は2017年にB社に発注したアマチュアとプロゴルファーを結びつけるマッチングサイト構築だ。契約金額は2000万円だった。
PGA会長の倉本氏はツアー30勝、永久シード権を持つ、尾崎将司、青木功らと一時代を築いたレジェンドだ。
2014年に会長に就任すると女子プロに流れていたゴルフ人気を男子に呼び戻そうと奔走。現役時代の人気をバックに、スポンサーに営業攻勢をかけ、シニアツアーが年間10試合ほどだったのを、倍に増やし、賞金総額も7億円と10年前の1・7倍までに増加させた。
マッチングサイトはシニアツアーの人気をさらに拡大させようとした新しい試みだった。2017年11月にほぼ完成したマッチングサイトがPGA理事会でお披露目された。
だが、エンジニアがセキュリティーホールの有無をチェックすると、重大な欠陥が判明。第三者委員会の報告書によると、PGAの倉本会長はその場で、エンジニアに<マッチングサイトに外部からアクセスできないように応急処置を施すように依頼>、<B社との契約を解除して1日も早く、本件欠陥の修復及びマッチングサイトの完成・実用化ができるように>と指示を出した。
その後、欠陥を発見したエンジニアが所属するC社がマッチングサイト構築に不可欠と判断。PGAは業務委託契約を締結し、マッチングサイトの委託先をC社に変えることになった。契約金額は約1000万円で、他の関連費用を加えて合計で1300万円余りとなった。