一方のチェンは中日時代の2009年に最優秀防御率のタイトルを獲得し、メジャーでも3度の二桁勝利をマークするなど活躍。昨シーズン途中にロッテに入団して9年ぶりの日本復帰を果たした。ロッテでは4試合に登板して0勝3敗と勝ち星には恵まれなかったものの、防御率は2.42と安定した投球を見せており、そのことが評価されて2年契約で阪神に移籍した。今年もローテーション候補の一角として期待され、4月29日にはNPBで10シーズンぶりとなる勝利をマークしたが、その後は左肩の故障もあって一軍での登板はわずか2試合と期待を大きく裏切る結果に終わっている。ロハス・ジュニア、チェンともに2年契約のため来季も残留となったが、今年のような状態が続くようであればシーズン途中で見切りをつけられる可能性もありそうだ。
他では糸井嘉男(阪神・1億8500万円)、平田良介(中日・1億8000万円)、長野久義(広島・1億6500万円)、田中広輔(広島・1億5000万円)、野村祐輔(広島・1億2000万円)なども成績を残すことができず、複数年契約の田中以外はオフに大幅ダウンとなっている。しかし過去にも厳しい状況から復活した選手は確かにいるだけに、再び大幅アップを勝ち取るような活躍を見せてくれることを期待したい。(文・西尾典文)
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●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員